第7回 《 先回りのお世話より先回りの褒め言葉 》
心理学用語で「ストローク」という用語があります。
「あなたがそこにいるのを私は知っていますよ」という表現のこと。
言葉、表情、行動、非言語的表現すべてのことを言います。
幼い頃、ストロークをどのように受け取ったか、
発信されたかで人の人生は大きく変わります。
また、自分がストロークを発信したときに相手にプラスで伝わるか、
マイナスで伝わるかでその人との関係性に影響しますし、
子育てにおいてもこどもの人格やこどもの未来に影響を与えます。
繰り返される日常での話し方がそんなつもりがなくても
こどもにとって口うるさく感じていたり、いつも叱られているように思えていたとしたら、こどもに『マイナスのストローク』として入ります。
マイナスのストロークとは不快に感じる表現すべてを言います。
マイナスのストロークを受けると心の元気エネルギーを奪われます。
例えば、「あれしなさい、これしなさい」と命令口調で言われてばかりだと嫌な気持ちになります。
言葉には出していないけれど裏メッセージとして
“ほら、まだやっていないじゃない?!”“どうせ言わなきゃやらないんだから”というような批判がこどもの心に入り込みます。
極端に言うと“あなたには期待していない”という人格を否定されたとこどもは無意識の中で受け止めます。
繰り返し、このマイナスのストロークの言葉を浴び続けると
どんどん自信がなくなり、失敗を繰り返したり、反抗的になったり、挑戦的になったり、
怠け者になったり、いじけ虫になったり、ひねくれたり、すねたり、卑屈になるなど、
そして怒りを内に秘めるようになります。
しつけは言い方次第で良薬にも毒薬にもなると言うこと。
「あれしなさい」は「あれ、しよっか?」と促しや提案で楽しくお誘いするように。
「あれした?」は「あれ、どうなったかな?」とお伺いで可愛らしく茶目っ気をもって。
「あれしちゃだめって言ったでしょ?!」は「あれ、どうするんだった??」と目を見てユーモアのある可愛らしいじろ目で(*^^*)
「あれ持った?」「あれ持っていきなさい」は先回りのお世話。
「あれしといたほうがいいよ」も先回りのお世話。
「あれしておかないと困ることになると思うよ」
「あれしておかなくてもお母さんは知らないからね」も遠回し世話焼き、『先回りのお世話』
口うるさくならない工夫として、
「あれ」となるものを事前にみえるところに用意しておく例えば、水筒とか傘とか・・。
これもおせっかいの過保護、先回りのお世話です。
こういったことを続けていると、
「自分ではなぁんにもできない。自分はダメな人間だ」と無意識下で思いこむようになり、
自己肯定が持てなくなります。
甘えが強く依存心が強く、危機管理能力の低い人格になるかもしれません。
先回りのお世話より先回りの褒め言葉。
知らないことはできません。
本当に幼い子なら「こうやってするよ」「こうしようね」と教える必要があります。
でも、一度か二度、教えてもらった経験がある子なら
「さぁ、次、どうしよっか?」と考えさせることを次の課題に。
自分でやりかけたら間髪入れずにすぐに「そう!偉いね!!!」と大きなリアクションで褒めます。
間違ってても、です。
動いたら褒める。正しいやり方に修正するのは褒めた後です。
動いた直後に褒めて、「う~ん!!そう、こうするよ~偉いね~!」と行動の変更をさせます。
間違っていることを指摘するのではなく、誘導して正解をしたかのように、そしてそのまんま褒めます。
ここからが先回りの褒め言葉。
やったことを時間をおいてから褒めます。
「〇〇君はちゃあんと自分でできて偉いね!かっこいいね!」
家族に対して「〇〇君は自分できるんだよ~凄いよね!」
夜寝る前にも「〇君、今日もありがとうね。お母さん、とっても嬉しいよ。」と感謝の言葉を。
褒め言葉と感謝の言葉はセットです。
決して当たり前と思わないこと。
当たり前のことを当たり前にしてくれることはとってもありがたいこと。
当たり前のことを当たり前にしてくれることはとても楽をさせてもらえているということ。
とてもとても幸せなことです。
次の日はたいてい、自分から進んでやります。それを見逃さずに必ず褒めること。
間髪入れずに褒めること。
もしも、忘れているようだったら・・
「ん?んんん?」と茶目っ気たっぷりに優しい笑顔で顔を寄せていくポーズをして目をみつめること。
「あ!」と思いだしたら、「そう!!偉いね!!」と褒めて、
その場限りじゃなく、夕飯つくりをしながらとか掃除しながらとか、お風呂のときとか、
いつでもいいから「〇〇君はすごいね~おりこうさんだねぇ」とニコニコしながらつぶやいて言います。
大切な前提は、お利口さんなことをしてない日でも、してないときでも、
口癖のように「〇〇君はおりこうさんだぁ」「〇〇君はかわいいねぇ」とたくさん愛情表現を
相手に伝わるようにわかりやすくします。
この「していてもしていなくても」がとっても大事。
それはまたの機会に・・(*^^*)