第17回 子どもを不幸にしないために。三つの人生のシナリオとは
人は皆それぞれの自分の人生のシナリオを持っていると言われています。
大きく分けると、みっつ、勝利者の脚本・平凡な脚本・自己破滅の脚本です。
勝利者の脚本は自己実現に向かう脚本で生きる喜びの実感があります。
人を信じ、信じられ、自分の可能性を信じ、自分らしく生きることができる人です。
何らかの出来事に対して、人それぞれ取る行動は違うわけですが、勝者の脚本を持つ人であれば、
悲しみや悔しさ、嬉しさ、楽しさという感情を言葉で表現したりすることで、
自分自身で自律的に治癒することができます。
平凡な脚本は、大きな失敗もしないけれど成功もしないという脚本。平凡者の脚本は「まぁほどほどでいい」というものです。
破たんするような人生を選ぶこともありませんが、自分らしい自発的かつ自律的な人生を歩んでいるとも言えない生き方です。 敗北者の脚本とも言います。
自己破滅の脚本は一見成功したかに見えるときもありますが細かな選択肢ののち、
最終的には自分でアンハッピーエンドに向かう生き方をする脚本です。
敗者、自己破滅の脚本とは、自分が生き生きと生きるために自分の能力を使えないでいる人。
理屈をつけて合理化したり、詭弁を用いて知性的に振る舞ったり、
自分の責任を自分で取ることができず、考え方や言動に何か違和感があります。
人を信じたり、信じられることに、何となく息苦しさを覚え、
自分の思うように生きられない人自分が生き生きと生きるために自分の能力を使えないでいる人などです。
「我慢しなくちゃ」とか、「○○しなくては」「○○でなければ」というプレッシャーを感じながら、
思い通りにならない壁にぶつかり、落ち込み、無力感を感じます。
自分が何かしようとすると邪魔が入る気がしたり、嬉しいことがあっても、心から喜ぶことに罪悪感を感じたりします。
「喜んではいけない」「調子に乗ってはいけない」「喜んでもすぐにしっぺ返しを食らうに決まっている」「楽しんではいけない」「どうせ自分はこうなんだ」というように、自分自身の脚本に沿って自分の可能性や幸せの権利を自分で排除します。ですが、勝者として生きる人は、ほんの一握りで、ほとんどの人が平凡者、もしくは自己破滅の脚本を持っているようです。 職場の環境、世の中の変化を苦に自殺をしたり、精神的な病気になってしまう人のなかにはその出来事は「きっかけ」であり、
その場面でそうした決断をする背景には、
「いざとなったら死んで認めさせてやる」「いざとなったら自分がいなくなろう」「私が死ねば(窮地に立てば)周りは心配してくれるだろう」といった類の脚本が働いていることもあります。
暴飲暴食、乱暴な運転など、自分を軽視する行動はそのような脚本の現れであることが多いと言われています。
人生脚本とは、「自分は人生をこう生きる」と幼いころに決断した人生のシナリオですでに予定されている人生のプランです。
- 脚本は、敏感で、決定力があり、子供の頃の世界観、生きる目的、道徳観によって決められていて、外からの力によって、押しつけられるものではない。
- 脚本は、両親(または、影響を及ぼしやすいものや体験)によって、より強化される。
- 脚本は自覚されていない。
- 脚本は、どう生きるか、何を求めていくかであり、そこに合わない現実は、意識内のフィルターによって再定義、または歪められる。例えば、「冷たく厳しい世界に対して一人で生きていかなければならない」という脚本を持っているひとは、人が優しくしてくれても「何か、裏がある」というシナリオにしてしまったりします。
人の行為を値引き(ディスカウント)してとらえてしまいます。
「あ-、またやってしまった。」とため息をつくような、自分の人生の中で何となく宿命・運命のように繰り返され、
あたかも一つの「テーマ」のようになっていて、
「私はいつでも、もう少しの所で失敗する。」「私はいつも、大事なところで自己主張できなくて損をする」「私はいつも、ほんとに好きな人からは愛されない。」「私は、最後に失敗して叱られる。」「誰も私のことを理解なんかできない、私は孤独だ」などのように、人がとても幼い頃に、自分を取り巻く世界と自分の立場を理解しようとして、自分に対する人生の脚本を書いたものです。
人生で改訂されますが、核となるシナリオは一般的に7歳までに選ばれ決定されます。このことを幼児決断といいます。
例えば、親が非常に忙しいという家庭に育ち、病気のときだけ優しくしてもらうような経験をすると、
「自分は健康であってはいけない」という“決断”をすることがあります。
失敗したとき、「お前はおっちょこちょいだね」と両親が仲良く笑う、という経験を持つ子供は、何かあるたびにドジをして
「ダメな子」を演じることでストロークをもらうという脚本を描くことがあります。
こうした人が大人になると、周囲の人間から「○○はほんとにバカだなぁ」と言われると、自分でも「私はおっちょこちょいだから、あはは」と返すといった具合に、自分で人生脚本を強めていきます。
この人生脚本のお話しは交流分析という心理学の中の脚本分析というものです。
また一緒にこのお話しについて語れたらいいですね!
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