第20回 完璧な子育てをしたいなら基本の子育てを完璧に決める
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人の心には5つのエネルギーが誰の心の中にも存在し、それぞれのエネルギーの量や影響力によって人の性格が作られます。
これを心理学では交流分析のエゴグラムと言います。
厳しさの心は心の中の警察官です。
「だめなことはだめ」 「しちゃいけない」 「しないよ」 「さ、宿題するよー!」 「最後まできちんとやり切るよ!」「好き嫌いはしないよ!」 「お行儀良くしようね!」などと厳しさの心を育てていくことで、自尊心が高まっていきます。ですが行き過ぎてしまうと
「なんでこーなの!?」 「どうしてそんなことするの!?」 「こーしなさい!あーしなさい!」 と口うるさくなってしまうことがあるので気をつけたいですね。でも厳しさの心が弱ってくると「ま、いっかー」と「どうでもいいんじゃない?」が目立ってきて、こどももいい加減で無責任になってきてしまいます。
優しさの心は心の中の看護婦さん。
愛情いっぱいにいつも笑顔で、「いいこだねー」「大事だよー」「すごいねー」と毎日毎日言葉にしていると、自己存在価値や自己肯定感を高めることができます。無条件の愛情が必要です。
でも優しさが行き過ぎてしまうととんでもないことに。
甘えを許すことも大事ですが、自己満足のために甘やかしてばかりいるとわがままで自分では何にもできない子にしてしまいます。
「ほらほらだめねー。おかあさんがしてあげる。」「なんにもできないんだからーおかあさんにまかせておきなさい」と言うようなセリフは「いつまでも自立しないでこどものままでいなさい」という呪いの言葉になってしまうことがあるので気をつけてくださいね。
逆にどんなことにも甘えを許さない姿勢で
「勝手にすれば」「あなたが自分で決めたんだからしらない、じぶんでなんとかすれば」「いうことをきかないこはしらない、きらい」「うっとおしい「「きもちわるい」「あっちいって」これは絶対に言ってはいけない言葉です。これを繰り返し言っていると子供を将来、心の病気に追い込んでしまうこともあるので気をつけたいですね。
考える心は、心の中の裁判官です。
「じゃあ、つぎはどうしようか?」「どうしたらいいと思う?」「どうしてそう思ったの?」「『じゃあ、一緒に考えてみよう!』「どんなくふうをしようか?」『その時どんな気持ちだった?』「それからどうしたの?」など落ち着いた優しい言い方で、質問をして、こども自身に考える機会を多く与えてあげるとこどもが知的に賢く育ちます。でも、度を超え、現実的になりすぎてしまうと人間らしさを感じられなくなります。
同じ質問の仕方でも感情表現をせずに、「ふーん、そうなの」「なるほどね」「かんがえとくよ」「なぜそんなふうにしたんだい」など、冷め切った言い方でいうと見下されるような気持ちになってしまうので気をつけましょう。面白みのない子が育ってしまいます。
反対になぁんにも考えないで過ごしていると行き当たりばったりで人生での失敗が多くなり、こどもも有意義な人生を送ることができなくなってしまうことがあります。
元気の心はこころのなかのエンターテイナーです。
「よーし!がんばるぞー!」「さぁ!やるぞー!」「たのしいねー」「おもしろいねー!」「うれしいねー」「きもちいいねー」「元気だねー」「すっごいねー!」「「へー!」「ひえー!」などとリアクション豊かにオーバーに表現していると、こどもの魅力はどんどん輝き、能力を開花させます。
でも、元気が周りを振り回すようになってしまうと「ほら!ぐずぐずしないでさっさといくよ!レッツゴー」「あんた、へったくそやなーあはは!」「だれだれくんをみならいな!どんくさいねぇ笑」「おとうさんはおまえくらいのときはもうそのくらいできたぞ!」「おれのいうこと聞いてればいいんだよ!」など、ブラックジョークやユーモアのつもりでもこどもの気持ちを無視した無神経な態度や言葉に気をつけましょう。こどもがいじけた子に育ってしまったり、こども自身も友達に横柄な態度をとるようになってしまいます。
元気の心が弱ってしまうと、無感動・無表現になってしまいます。
親が好奇心を持てなかったり、興味関心を持てないでいるとこどもの視野は狭くなりがちです。
無表情だったり、無言だったりしているとこどもは幸せを感じることができません。「ふーん」「ああ、そう」などの言葉に気をつけましょう。
人に合わせる心は心の中の優等生の存在です。
「いいよー」「うん!わかった」「そうだね」と上手にこどもにあわせたり、ちょっとイラッときてもグッとおさえてこどもの成長に付き合うことができると、こどもの成長をうまく見守ることができます。でも素直に感情を言葉で表現することも大事で、
そのバランスが上手に取れないと悲しみや怒り、不満がいっぱいにたまってきます。あまりにも自分の言いたいことを言わないでいると
「いってくれたらよかったのに」「わたしがわるかったのね」などちょっと、含みのある言い方が多くなってきます。嫌み皮肉はいいことはなんにもないです。こどもが卑屈になってしまうことがあります。またあまりにもこどものいいなりになってしまうと、こどもが裸の王様になって手が付けられない子になってしまいます。しかし、合わせるなんて嫌、人の言うことを聞くのがとにかく嫌というひとは、
「あらめずらしい」「なんかたくらんでない?」「いやだ」「べつにほしくないけど」「でも、これそんなにおいしくないけどね」「あんまりだね」ととにかくへそまがり、あまのじゃくに。そんな言葉や態度を取ってばかりいるとこどもを混乱させてしまいます。健全に成長できません。
みなさんの五つの心で威張っているのはどれですか?おどおどしているのはどれですか?
ただ。どれが強い(高い)といいとか、それが弱い(弱い)とだめとかそんな単純なことではありません。シーンに応じて心の中のバランスをコントロールできることがいいのです。
またいつかもっとお詳しくお話しをさせていただける機会があればいいなと思います。
お会いできる日と楽しみにしていただけたら嬉しいです(*^^*)