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第29回  『言い方ひとつでこんなに変わる』

「“朝だよ”って言ってるだけなのに、睨んできて、起きてこないんです」

「“ご飯できたよ”って言っただけで“わかってるよ!”って言い返してくるんです」

「“大丈夫?”って心配して言っているだけなのに、怒るんです」

と、ママたちは   

“何が気に入らないのかわからない”という様子でお話しされます。

ほかに理由がなくて、そのセリフでこどもの機嫌が悪くなるときは、

「では、私を子どもだと思って

こどもに言うときと同じようにそのセリフを私に言ってみてください。」

とお願いします。

ママが普通のいい方で話されるので、私は疑います。

「ほんとにそんな言い方?ほんとに?」というと、

「いや・・もうちょっときついかな・・」と苦笑いをされます。

「今と同じ表情で?」と言うと恥ずかしがりながら、

自分自身で「あ~~~」と気づかれます。

声のトーンやリズム、テンポ、音量だけで

相手に与える印象はずいぶん違ってきます。

同じ「朝だよ」でも、早口で言えばきつく聞こえますし、

ゆっくり言えば優しく聞こえます。

抑揚をつけずにいうと無関心な感じに聞こえますし、

リズムをつけて言えば、楽しくふざけた印象になります。

小さな声で言うと遠慮して聞こえます。

バタバタしていて

早口に加え、音量が大きくなれば、怒ったように聞こえ、

言われたこどもは

“いつまで寝ているの!?さっさと起きなさい!”と

責められていると感じます。

いつもキツイ言い方をされているこどもは

褒められても、その言葉を嫌みや皮肉と捉えます。

質問をされても責められていると感じます。

提案をされても押し付けられていると感じます。

心配されても、干渉されているようにしか思えません。

いつもキツイ言い方をされていると、

たまに普通のいい方をしたところで、いつもと同じ言い方に聞こえます。

心には“いつもの”ママの声が録音されているからです。

録音された言葉はママがいないときにも再生されます。

自分が何かをしているときでも

ママの声が勝手に聞こえてきて、嫌でもこどもの心と行動に影響を与えます。

いつも明るい声で話すママの子は

いつも太陽が心を照らしてくれているような感覚があり、

元気いっぱいになります。

そして、ここぞというときに

“頑張れー!ファイトー!”と応援するママの声が聞こえます。

いつもゆったりとのんびりした口調で話すママの子は

いつも心がポカポカ温かな、春の日差しに包まれているような感じがします。

不安なときに

“大丈夫だよ、あなたならできるよ”とママの励ます声が聞こえます。

でも、いつも暗い声で話すママの子の心は、どんより曇り空。

何をするにもやる気が起きません。

“どうせ無理。あなたは幸せになれないよ”

というママのささやきが聞こえてきますし、

いつも命令口調で話すママの子の心はいつも鳴りやまない雷と、

いつ落ちるかわからない稲妻が走る嵐のようです。

些細なことにイラつき、反抗したくなります。

こどもの心には

“あなたはなぜそんな子なの?!目障りだわ!”

とママが非難する声がこだましています。

表情も同じです。

ママの言葉はこどもの心に録音され、

ママの表情はこどもの心に録画され、

シーンを選ばずに再生されます。

相手はママじゃないのに、

目の前の人の声がママの声に聞こえ、ママの顔にみえます。

ママがいつも吐き捨てるように物を言い、

いつも嫌な顔をしていると、

目の前の人が、自分に対して

“迷惑に思っている”“嫌っている”と思いこみやすくなります。

ママがいつも愛情深い物言いでいつも笑顔を向けてくれていると

目の前の人の自分への印象を

極端に先入観を持つようなことはありません。

また、話し方から表情まで、

自分自身の口や顔から“ママ”が再生されます。

方言やなまりと同じで、こどもにとって標準はママです。

ママとの関係が人間関係にも影響します。

ママと同じ言い方をするかもしれませんし、

ママに言われたときと同じ、反応を人にするようになります。

ママから発信される、声の調子や表情次第で、

親子関係からこどもの人間関係、そしてこどもの未来までが変わります。

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