第40回 人間関係がうまくいかない理由“社会が悩む”性格の病 ~パーソナリティ障害~
ストロークとエゴグラムの法則を知っているとたいていの人間関係はうまくいきますが
それでも道理が通らない相手に悩まされることがあります。
どうもうまくいかない、空回りする、「このひとには通じない、なぜだろう?」と。
こんなひといませんか?
すぐに切れたり、他人の気持ちが全く分からない人、コロコロ態度の変わる人、
人の心の中に土足で入ってきたり、理解不可能な人。
パーソナリティ障害とは人格が病的に偏り、極端な歪みがある、性格の病です。
自分がそういう傾向を持っていても自分以外の人がそういう傾向をもっている場合でも問題が出てきます。
人を極端に苦しめたり、あるいは自分が極端に生きづらく苦しかったり・・・
現代では大変この傾向が強いようです。
パーソナリティ障害には3つのグループ10種類あります。
依存性パーソナリティ障害の『未成熟なタイプ』は、人格的成熟しないことで『自己責任』を免除して貰おうとする傾向を持っています。
『子どものような』を大げさにアピールすることで、『私を守ってね』という暗黙のメッセージを相手に伝えます。
パーソナリティ障害はさまざまなパーソナリテイ障害をあわせもっています。
一番、身近で頭を悩ませられるのがクラスターBです。
感情的な混乱の激しい人格で演劇的で、
自己に敏感、他者に鈍感という際立った特徴があります。
自分が傷つくことには非常に敏感で他人が傷つくことには非常に鈍感なタイプです。
「自己愛性パーソナリティ障害」は思いやり欠落の究極の自己中心的な人間、裸の王様がこの自己愛性パーソナリティ障害です。
自己愛性には、二種類あり、“自分は素晴らしいという無自覚タイプ”と、
“従順で真面目で几帳面、自立心が乏しいために、強い指導力の傘が欲しくて、
あえて他人の支配の下にいてボロボロにされてもそばにいる過剰警戒タイプ”です。
自己愛性パーソナリティ障害の典型は、結婚詐欺練炭殺人事件や、6億円を貢がせた事件などがそうです。
恐ろしいのが「良心がない」他人の気持ちを感じる力が欠落している反社会性パーソナリティ障害いわゆるサイコパスです。
私たちは、相手の気分を害したら「あ、悪いことをしたな」と感じるものですが、
サイコパスには、相手の気分を害したときに罪悪感を感じる能力がありません。
相手に嘘をついてだましても罪悪感を感じることがないのです。
人を愛する能力や優しさは欠如しているが、人の顔色を窺って、騙したりする能力には優れているとされています。
サイコパスは平気でとことん、相手を利用し、肉体的にも精神的にも財産も搾取します。
あまりにも残酷すぎて報道規制がかかるような事件はそうです。
犯罪者ばかりを例にあげましたが、パーソナリィ障害イコール犯罪者ではありません。
犯罪者=パーソナリティ障害でもありません。
有名人の名前を例にお話しできるともっとわかりやすいので興味のある方はまた講座でお話しいたします。
大成し、活躍されている方はたくさんいらっしゃいます。
誰のそばにも、社会が悩むタイプの人たちはいて、問題が起きてくることがよくあります。
八つ当たり、ネチネチ説教、パワハラなどいやですね。
そういった行為をダンプされると言います。
DUMPとは:直訳すると「ごみを捨てる」「無造作にどさりと下ろす」という意味。
「不都合な感情を他人に捨てる」(転移や投影)ストレスをためた相手がDUMPをしてきて、
ダンプをされた方、そしてそれを受け取ったひとはいやな気分になります。
ダンプが成功するとスッキリするので、ダンプを受け取った相手に優しくなれます。
すると、「言い過ぎたかな」「可哀想だったかな」と反省までできるようになります。
でも、怒った理由はたんなる引き金で、
その大部分のストレスの原因は家庭にあったり、自分の不満にあったり、成育歴に合ったりとさまざまで、
ダンプはその場しのぎのストレス解消にしかなりません。
またふつふつとストレスは溜まってきて、何かしらのミスや失敗を「待ってました」とばかりに取り上げて、
必要以上に叱りつけたりします。
緊張期があって、爆発期があって、ハネムーン期があって・・・を、
ぐるぐるぐるぐると繰り返す、DV(ドメスティックバイオレンス)のサイクルと同じですね。
その人のストレスはそのひとのもの。
そのひとが自分で処理をしなければいけないものであって処理をしてあげなくていいんです。
ダンプを受け取らない方法とは・・また機会があれば、お話ししたいと思います。