第57回 散らかしっぱなし、片付けられない
「うちの子は散らかしっぱなしで・・」と怒っているママのお話しを聞きますが、ママにどれくらい散らかしっぱなしなのかを教えてもらうと結構、「その年齢にしては頑張ってる方よ~」と感心させてもらうことがよくあります。
ママは「えッ!?」と驚かれますが、本当です。
特に上の子には、自分と同等くらいの感覚でみてしまうようです。
子どもなんてね、そんなに片付けられませんよ。性分というのもありますしね。
でも、・・片付けてほしいですよね。
じゃあ、真ん中を取って、言ったら片付ける、でヨシにしませんか?
何度も言わせられるのも、アリでいかがでしょうか。
子どもは子どもだからすぐに忘れますし、嫌なことはしたくないから、自分からなかなかしないものです。
恐怖が待ち受けている子でも、片付けることを忘れてしまうことがあるぐらいです。
そんなものです。
それならまだ、ゆったりのんびり、で関わって、子どもが、“褒められる”という報酬を受け取ったときの快感を感じるために、お片付けする、という行動に持っていった方がまだ、片付ける確率が上がります。
それでも、なかなか、100%になりません。
なぜなら、子どもが、自分が、困らないからです。
親は「欲しいときに欲しい物が見つけられなくて困るでしょ!?」と言いますが、本人はそんなに困っていません。困るのもいっときのことです。
片付ける面倒くささに比べたらたいしたことではないのです、子どものうちは。
ママがお片づけをするのは、“自分がやらないと誰もやってくれないから”です。
もしも、自分がやらなかったら、誰かが代わりに「やっといたよ」となれば、絶対に、“忘れ”ます。
もしも、お片付けが好き、片付ければいいことがある、などがあれば、自ら進んで片付けると思いますが。
と、言うわけで、どんなに訓練してあっても、“言わなくても絶対に自分からする”“指摘されなくても完璧な片付けをする”という100%にはならないことを理解していただき、質問です。
Q「お子さんは、片付けなさいと言われても、絶対に動かないし、なにがなんでも、一ミリも片付けないですか?」(暴力は無しです)
答えは、「そこまでは~。言ったら、イヤイヤやりだすかな・・」という感じではないですか?
そうなんです!ここで、「偉いなぁ。ちゃんと片付けるじゃない」と認めて下さい。
言われて言うことを聞くなら、お子様はいい子です。
グズグズ動いたとしても、とってもいい子。言うことを聞く子です。
偉いなぁ、賢いなぁです。
①朝、気持ちよく学校に送り出してください。
②ニコニコママでいて下さい。
③片付けることを完全にしないと決定したときに初めて、「さぁ、片付けようか?」と声をかけます。グズグズしてたら、「今、やってること(例えばゲームなど)何分くらいに終わる?」と聞きます。
例えば、「18時かな」と返事をしたら、「じゃあ、終わっても終わらなくても、18時10分には片付けだそうね」とお約束をします。
“終わっても終わらなくても”です。
④時間になっても始めなければ、「さぁ、片付けるよ」と声をかけます。
決して嫌な声にならないように。促すように明るい声でです。
「もうちょっと待って」と言ったら、「どれくらい?」と聞いて、先ほどと同じように、10分ぐらいの余裕をつけて、「じゃあ、〇分ね。次は待てないよ?」と宣言します。
⑤ここで時間になっても始めないようなら、「だめ。あと10分待ちます。タイマーかけとくね。もしも、このタイマーがなっても、動き出してなかったら、〇曜日までは〇〇できませ~ん!」と明るい口調でいたずらっぽく宣言してください。
⑥タイマーが鳴る10秒前からカウントダウンをして下さい。
「10.9.8.7.。。。。。」すると、たいていのこどもはブザーが鳴ってから動き出します。
結構楽しそうです。慌ててる様子を見て、思い切り笑って、楽しそうに、「えらいじゃなぁい!!さぁすがぁ!」と言ってあげて下さい。
子ども扱いでもいいのです。
たまの子ども扱いは愛情を感じられて、甘えを許されている感じで心地が良いものです。
⑦もしも、動き出さなければ、「あー!わかった!」と楽しく責める感じの言い方で、終わっておいてください。
そして翌日から、約束を実行してください。
⑧お片づけをしない限り、一日ずつ、「〇〇をしていい日」を延長していってください。
お片づけをした翌日から、3日お預けです。
たとえば、時間を過ぎてからお片づけをした場合、まずは一回だけだから大目にみます。
二階までは大目に見てあげてもいいんじゃないかと思いますが、3回目になる前には、しっかり「次は絶対に約束通りに〇〇できないからね」と宣言して、実行してください。
お片付けができるようになる子のコツ
①楽しく明るくかかわる
②余裕を持たせた宣言をする
③三回目までは大目に見る
〇お片付けのエリアを決める
①ママが片付けなくても困らないところでしか、風呂敷を広げてはいけないルールにして下さい。
例えば、自分の部屋だけ、あるいは空いているスペース。リビングの一角。
テープで線を引いたり、洗濯物干しラックなどを利用して仕切りを作るなど。
勉強部屋は散らかしたくないので、勉強部屋で遊ばせるなら、狭い部屋であっても仕切って下さい。
②ヤイヤイ言わなくて済むようにブルドーザーになる
陣地を犯して入ってくることがあります。
そういうときは、「片付けて」と毎回言わずに、とりあえず、子どもの遊んでもいい陣地に押すか、放り込みます。
子どもとの楽しい関係性が築き上がってきたときに「自分の陣地に持っていってくださぁ~い」が通用するようになってきます。
自分のところに持っていってくれたら、優しく嬉しそうに「ありがとう」と必ず言います。
③お片付けの日をママの心の中だけで決めておきます。
子どもには内緒です。
だいたい、週一回くらい、次の日がお休みの時ぐらいがベストですが、たまった“だしっぱなし”をまとめて片付けさせます。
ただし、本など、特に傷みやすいものは、すぐに片付けるようにしつけていくことは大事です。
関係性が出来上がってからでないと無理ですが、言うことをきくようになって来たら、例えば、「本は大事。折れ曲がったらもう元には戻らないから。すぐに片付けるよ」と真面目な声で言って、片付けるまで見守ってください。
片付けてはあげません。
ただし、番号順に並べるなどの、美しさに関しては、“まとめて片付ける日”まで保留で良しとママの心の中で決めておきます。
もしも、子どもが高さ順や、カテゴリー順などで自分で片付けたら「偉いね!まじめだね!きちんとするね!?」と、しっかり褒めて下さい。
〇大掃除の時のお片付けの方法(散らかりすぎているときも有効)
必要なもの あれば段ボール5個くらい
①引き出しの中身を床に全部出す
②いるものを横に避けて、ゴミをゴミ箱にポイポイ捨てる【分別は後回し】
③子どもの身体の前にこどもを囲むように半円で段ボールを並べる
④おもちゃ、文房具、本、その他でポイポイ段ボールの中に分別して放り込む
⑤段ボールを一つ選び、段ボールを一個ずつ片付けていく
⑥ゴミの分別があったら分別をする
⑦掃除機をかける
⑧美しくなった部屋を眺めながら、「お疲れさま!」でジュースで乾杯!
「綺麗になったね~!!」と感心し、ともに喜ぶ