ブログ

Blog

第69回  盗む

盗みにどう対応するかという問題に関しては一貫してやるべきことをやる、ただそれだけです。効果があってもなくても、絶対にしてはいけない悪いことをしたときには、叱らなければなりません。

悪いことにも二種類あって、褒められたことではないけど、許される範囲での悪いこと、謝って許される範囲での悪いこともあれば、許されない悪いこともあります。

許される範囲の悪いこととは、悪質ではないいたずらや、意図しない約束破り、悪意のない不注意によってかけてしまった迷惑などです。

悪質ないたずらや、危険な迷惑行為、人やお店のお金やものを盗ったりするのは、強要や脅迫をされていたり、生死にかかわる飢餓状態などの特殊な場合でなければ、許されない悪いことです。

盗むの種類

①物欲 欲しいから盗む 「あれも欲しい、これも欲しい」と一度、盗みで手に入れて満足した物欲がエスカレートして盗むようになった

②刺激欲  スリルが欲しいから盗む いいことをするだけでなく、悪いことをしても快感が得られます。“悪いことをしている”というドキドキ感による脳への刺激が快感でやめられなくなり、精神病的になることがあります。

③特性 衝動性が強すぎて盗む 「いいな」「欲しいな」と思った瞬間、持ってきてしまいます。道徳観念から理性で抑えられる域を超えて、持って生まれた先天的な特性である衝動性が強すぎ、本人の“意志の強さ”だけではコントロールするのがかなり難しいこともあります。

④被害 人に脅迫されて盗む 被害者になっている場合です。抵抗が困難な相手に命令され、盗みを働かされたり、物やお金を渡さなければならず、逃れることが自分ではできない状態です。

⑤飢餓・困窮  空腹などで必要に迫られて盗む 家庭の事情で、食べ物や学校や家庭でどうしても必要なものを手に入れるために、追いつめられた状態です。

⑥寂しさ 満たされなくて盗む 親が過干渉であったり、無関心、または家庭が荒れていて心休まる心の安全基地でない場合に、寂しさや強いストレスから、感心を自分に向けるために意識的に盗んだり、あるいは無意識的に愛情を得るかわりのものとして盗んでしまいます。

⑦自己顕示欲 承認欲求を満たすための手段で盗む 友達との付き合い方がわからなかったり、人気者になりたかったりして、周りの注目を自分に集めるために、盗んだものやお金で人に振る舞ったり、羨ましがらせたりします

⑧自他の境界のあいまいさ “盗む”という積むの意識の低さから盗む。生活環境やしつけ、あるいは子どもの持って生まれた特性によって“持ち物は所有者のもの”という概念がよくわかっていないために罪悪感があまりなくブレーキがかかりにくい。自分のものは自分のもの、ひとのものはひとのものという感覚に鈍く、人のものも自分のもの同然になってしまっています。ですが、他人のことには鈍感で、自分のことには敏感であることもあるので、自分のお金や物を勝手に使われたり、盗られるととても怒ったりすることがあります。

〇“盗む”への対応

④⑤を除く基本姿勢

お金が無くなった場合 ※二人きり、あるいはパパと。他のひとがいないところで他のひとには絶対に離してはいけない。子どもの名誉を守る。過ちを引きずらせないために。

①証拠も確信もないときは、「〇ちゃん、ママのお金がないんだけど、知らない?」と聞きます。聞いたときの子どもの様子でも確信が持てなければ、今後、財布にいくら入っているかを常に把握しておくことと、人の目が届くところにお金を置かないなどお金の管理をしっかりして、ある程度、確信が持てるまで我慢。証拠はなかなかつかめないと思うのでそれまで待つのはリスクが高いと思います。

証拠はなくても、確信があるのなら、「〇ちゃん、ちょっとここに座って」と自分も正座して、その目の前に子どもに正座をさせて座らせてください。

②「ママに先に話しておかなくちゃいけないことある?」

「ママにごめんなさいを言わなくちゃいけないことある?」

と真面目な顔で真面目で低い声、冷静で静かに言います。

ここで、もしも、子どもから告白して来たら、その瞬間、少しだけ声を優しくして、「そう。そのこと」と表情を少しだけ緩めて下さい。

③「ママのお金が無くなったの。」と少し間をおいて、子どもの出方を少し待ちます。

上記で告白している場合は、「そのお金はどうしたのか教えて」とまず、お金の“今”を聞きます。

なぜ、「どうしてお金を盗ったの?」と先に聞かないかというと、先に聞いてしまうと、子どもは“納得してもらうための理由”を保身のために考えなければならないからです。言い訳が良くないことだからというよりも、子どもが言い訳をしなくちゃならない状況に持っていってしまうことで、叱らなければならないことが一つ増えてしまいます。

良くないことがさらに良くないことに導いてしまうのです。

子どもをできるだけ、叱らなくても済むようにしてあげるのも、ママの愛情であり、ママ力です。

④「ママは、〇ちゃんが持ってると思ってる」とはっきり言ってください。もしも違ったらどうするの?と思うかもしれませんがそのときは誠実に心から素直に謝ればいいのです。誰にでも間違いはあります。ここでうやむやにすることのほうがよくありません。

ママの信用を失うとか、親子の関係性がとか、子どもを傷つけてしまうなどありますが、そのときはその信頼関係を取り戻せるように考え、行動し、一生懸命努力したらいいのです。 

子どももそんな誠実なママのほうが信用できます。ママは神ではありません。

子どもが「使っちゃった」「今ある」と言ったら、今あるお金をその場でもってきてもらって回収してください。違う場所にあれば子どもと一緒に取りに出かけて下さい。「お金、いますぐにママに返して。いますぐに持ってきて。」

⑤子どもが正直に言うまでできるだけ粘ってください。途中で、確信が持てなくなって来たら、「わかった」とだけ言って、終わってください。「信じるわ」とか、「信じてないけどね」とか、「とっちゃだめよ?」などの一言余分入りません。

正直に言えば、②からの告白した場合と同じです。

このとき、まだ、「どうして言わなかったの?」などあえて言い訳させるような余分な言葉はいりません。

人はなかなか“素直”になれません。正直に話して怒られるリスクが高いなら、言い訳してそのリスクを少しでも減らそうとするのは、人の防衛本能で、決して“悪”なものだと一概には言えるものではありません。

言い訳をしなくて済む安心感やシチュエーションを与えてから、“言い訳をするであろう”ようなことは聞いてください。

⑥しばらく様子見です。お金の管理はきっちりしてください。子どもの様子から目を離さないでください。

お金を回収したら、もう一度、お話しです。

正座して向かい合わせで座ってください。

つかってあった場合「お金、どうしようと思ってる?」と聞いて、子どもに返済手段を考えさせてください。返済手段を考えさせて、元金を取り戻すけりがついたあとで、「お金の内訳を聞かせて」となにに遣ったかを聞いてください。

つかってなかった場合又は残りのお金について「お金、どうしようと思ってた?」

一番最初に正座したときよりも、真面目だけれどもおだやかにです。

⑦内容について、ママが納得できたなら、「わかった」です。

悪いことでしたら、それはよくないことだとわかっているかを聞いて、子どもに“何がどう悪いのか”を考えさせます。

長々と説教はしません。

“おこずかいが足りなかったのだな、厳しすぎたのだな”とママが自分に非を感じたときも、「わかった」のみです。

このときに「ママが悪かったわ」や「じゃあ、どうやったら盗まないで済む?」なんて聞いてはいけません。それはまたべつの話です。

このときにママに謝ってもらえた、気持ちを分かってもらえた、話を聞いてもらえた、おこずかいが増えることになったなどの成功体験を感じさせると、“盗みをしたことでいいことあった”“盗みは状況を変える効果がある”となってしまいます。

どんな理由があってもいけないことはいけないのです。

⑧元金は返してもらうことになり、とりあえず、子どもが盗んだ理由もそれが真実かどうかは不明だとしても聞きました。それだけでは終わりません。

まず、一回目ですから、子どもに自分の下罪の償いを考えてもらってください。

「お金を盗って、「ごめんなさい」って言って、お金を返したら終わりっていうわけにはいかないよね?どうやって、罪の償いをしてくれる?」と考えさせます。意味が分からないようなら、例え話をしてあげて下さい。「悪いことをしたら、罰金を払うか、奉仕作業をするか、刑務所に入るのが世の中だよね。○ちゃんは刑務所には入れない。〇ちゃんなりの償いをママに考えて教えて」と言って時間をあげて下さい。すぐに思いつかなそうなら、1時間後の〇時までにママに言いに来て」と言ってください。

⑨子どもが自分なりに考えて言って来たらママの満足がいくものではなくても、「わかった!」と言ってそのまま受け止め、必ず、最後まで実行させてください。

⑩愛情不足が理由でなかったとしても、この機会を無駄にしないように、もう一度、親子の関係性を見直し、ママは子どもへの接し方、毅然とダメなことを伝えられているか、普段にたっぷり時間をかけて愛情表現をできているかなどを振り返り、よりよい親子関係を目指してください。

⑪おこずかい不足などが気になるのであれば、とりあえず、子どもが償いをしてから、数週間後以降に自然な形で改善していってください。

④⑤の場合

いじめや脅迫の被害に遭っていた場合は、絶対に叱らないでください。子どもなりのみを守る術だったと思います。被害を黙っていたことについてのみ、「これからはどんなに怖くてもママに話すこと」をしっかりと約束させて、ただちに動いてください。

子どもの安全が確保できない状態であれば、コトが片付くまで、学校に行かせずに家で学校と同じ生活で学校通りの勉強をさせて下さい。

飢餓や困窮である場合は、ママに助けを求めることが不可能な家庭環境なのでしょう。家庭内に子どもを追いつめる大人がいるのだと思います。

家庭で問題にせず、ただちに児童相談所に連れていくか、警察で話をして下さい。

「いったん、家庭で話し合ってみて下さい」と言われる確率も高いと思いますが、この話をすればママの気持ちはどうであれ、子どもはさらに追いつめられてひどい目に遭います。

話し合って解決するぐらいなら、子どもは、飢餓や、学校に持っていくものに困りません。とりあえず、子どもは安全なところに隠して、ママは自分の身の振り方を考えて下さい。一緒に身を隠せるなら隠したらいいと思います。この時、学校のことを心配しているどころではありません。子どもにとっては自分の命にかかわることです。

もう、家に連れて帰らないでください。子どもを追いつめた大人と縁を切ったとき、はじめて迎えに行ってあげて下さい。縁を切っていないのに、“大人の改心”を信用して、子どもを連れ帰らないでください。

~⑧(④⑤は抜く)までについて、1回目の対応をブレることなくしてください。

そのうえで、①~⑧のそれぞれの盗みのタイプについて必要な対応をして下さい。

①物欲

二回目したとき、一回目よりも厳しい顔と厳しい姿勢をみせる。

前回よりも厳しい償いをさせる。このときはママが決める。そして、「3回目はママは許さない。〇〇をしてもらうからね。ものすごく怒るからね?」と事前に絶対に嫌であるだろうペナルティを告げておきます。そして叱るではなく怒ることを告げておきます。

三回目、暴力はいけませんが、ママ自身も度叱ってください。そしてここで怖い怖い見たこともないようなぐらい怖いパパも登場させてください。父性がいります。パパがいなければ怖い怖い人に震え上がるくらい叱ってもらってください。

外部の方は慎重に選んでください。デリケートな問題を安易に外部に漏らし、子どもの友達に広がるようなことになると子どもの人間関係や環境に影響や不利益が生じることがあります。警察官の方にお願いするのであれば、事前にお願いしてください。警察官の方も含め、店の人、外部の人は「ちゃんと自分で言えて偉いね」「ちゃんと返しに来て偉いね」と褒めてくれたりします。絶対にダメです。“悪いことをして得をした”になってしまいます。

ですから、家族もしょんぼりしたこどもが可哀想になって優しくするようなご機嫌を取るようなことは絶対してはいけません。その日は口を聞かないぐらいの気持ちでいて下さい。

もしもそれで四回目をするようでしたら、カウンセリングなどに相談に行って下さい。

②刺激欲  

①の流れをやってダメな場合でしたら、医療機関で相談してみてください。

行為障害(人格の極端な偏りからの歪みによる問題行動)・クレプトマニア(窃盗症)などがあり、専門的に診ていただいたほうがよろしいと思います。

③特性 子ども自身も苦しんでいるかもしれませんし、子どもに反省の気持ちを促すのが難しいこともあるかもしれません。自分自身で制御がとても難しい発達の問題であれば、ママもプロではないからわからなくてもぜんぜん普通でとても苦しいと思いますので、発達問題の専門家に相談して下さい。

⑥寂しさ 家庭の中で子どもに決して喧嘩をみせないようにすること。子どもに絶対に聞かれない、みられないところで、喧嘩がしたいなら喧嘩をして、子どもの前では平和をみせること。子どもにわかるように愛情を表現すること、子どもとの時間をできるだけ多く作ること。

⑦自己顕示欲 

子どもに上手なコミュニケーションの方法を教えること。ママ自身が素直で優しく温かいコミュニケーションの取り方を学び、子どもにそのままその接し方をすること。

子どもが輝けるステージを与えてあげること。劇団に入れる、何か習い事などで発表の機会を作れるようにする。カラオケ大会などに出場させてあげる。

⑧自他の境界のあいまいさ 

発達の問題が隠れていると人と自分との境界がはっきりしないことがあるので、そのことも視野に入れておく。

家庭の中で、共有のものを少なくする。「これは〇ちゃんの」「これはママの」「これは、〇君の」と必ず、所有者をハッキリさせる。

兄弟のもの、親のものを勝手に使わせない。親子、兄弟の貸し借りを礼儀をもってさせる。必ず「〇ちゃん、借りてもいい?」と許可をとってからにする。人の部屋に勝手に入ってはいけないことを徹底する。人が買ってきたものを勝手に飲んだり食べたりしない。事後報告を禁止する。親も同じように、子どものものは親のものという姿勢を盗らずに個人を尊重するようにする。

SHARE
シェアする

ブログ一覧

ページの先頭へ