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第89回  子どもの進路を否定しない

子どもの進路を決めるときに親はどうしても「自分が後悔しているからあなたには後悔させたくない」といって、子どもの人生を自分の人生のやり直しのように、選択したがります。勉強と同じです。自分が勉強しなくて後悔しているから子どもには後悔させたくないと言いますが自分は面倒な勉強から逃げて楽をして、子どもには押し付け、自分の人生をやり直せたかのようにスッキリしようとするのは都合が良すぎます。親が嫌だったように子どももしんどいことは嫌なのは当然です。頑張るのは子どもで親は口を挟むだけです。その後の人生を歩むのも子どもで親はのんびり高みの見物では調子が良すぎます。大人になって感じることがあっても子どもの頃は若い感覚でしたいことや楽しいことは違うし誘惑も多く、選びたい進路も違います。学生の頃にしか得られない経験もあります。親は少しでも、偏差値の高い学校や名誉ある進路を望みます。親としてのステイタスを満たせる、自分の人生をやり直した気持ちになれると言う下心を隠して“子どものため”“子どもの将来のため”と大義名分を掲げます。ですが、競争率の高いところに行こうとすれば、青春を犠牲にして、勉強にスポーツに時間を捧げねばなりません。そしてそこに運よく滑り込むことができたらまたそこで、入学すれば解放というわけにはいかず、レベルの高いところには高いなりの終わらない“受験生活”のような毎日が待っているのです。

〇「自分の人生なんだから自分で決めなさい」は果たして善か?

子どもが将来を語ったときに、子どもの意思を尊重している姿をみせようと「自分の人生なんだから自分で決めなさい」ということがあります。このセリフはとても理解があって素敵な言葉ですが、言うタイミングや実際にしている姿勢が重要ですね。

まだ人生経験の浅い子どもが人生のターニングポイントにおいて将来を左右する進路を決意するのはとても重大なことです。そして責任が自分一人にどっしりとのしかかってきます。自分の人生なんだから自分で責任をとるのは当たり前と言われればそれもそうですが、そのためにも、“考え”をまとめるための支えになってあげることは必要です。

経験が未熟であればあるほど、良かれと思うことには、“マイナスの想定”はしないものです。ですが、人生における重大な決断をするときには、そのリスクについてもマイナスをもイメージしながら折り合いのつく決断をしなければならないのです。

メリットと確実性、デメリットとリスクの双方を天秤にかけて考えるには、未来を客観的かつ現実的にイメージするための人生経験がいります。

人生経験の未熟な子どもには情報を得る手段がネット検索や本、テレビとなりますが、そういう情報には現実的な失敗談はほぼ載っていません。平凡なことは載せてもインパクトがないからです。また人はわざわざそれを検索しません。そして成功談は多く語られています。成功は平凡ではないからこそ、取り上げられます。また、情報は、自らが検索したものしか出てこないと言うことも、危険なひとつです。デメリットやリスクは自分で調べないと出てきません。夢を見ているとき、希望に胸を膨らませているときには、メリットばかりを調べ、目がそちらばかりに向きます。感覚的な勘や、身近で平凡な情報、そして、夢ばかりではない現実を話してあげられるのも、想定していないことに気づきをもつのも、生身の大人が直接、子どもの話と向き合うことで得られるもので、親がじっくり話を聞き、質問していってあげることは疑問に持つことのなかったことに意識を向けることができる価値があります。

〇「自分の人生なんだから自分で決めなさい」に潜むブレーキ

話を聞かずに「自分の人生なんだから自分で決めなさい」には、突き放しがあります。裏のメッセージでの「自分で決めたらママはもう知らないわよ、助けないからね?!」の脅しが隠されています。前述したように、自分の人生を自分で決めるということには“責任”が自分一人に圧し掛かります。親は子どもに選択の自由を与えているようにみせてはいるけれど、実際は、“失敗を選ぶな”と圧力をかけています。話を聞かずにこういうセリフを言う親の特徴は、子どもが本当に自分の好きなように進路を選ぼうとすると、「えーそこはあんまりじゃない?」「もう少し、違うところにしたら?」「もうちょっと頑張ってみたら?」「それはやめておきなさいよ」などと干渉して、結局、“ここにしなさい”とは言わないものの、消去法で親の希望に誘導していきます。子どもが親の誘導に屈せずに実際に選べば、風当たりが強くなりますし、ずっと「あなたが自分で選んだのだから」と責められ続けます。しかし、親の希望に沿ったとしても、子どもがその選択を後悔したときには、「あなたが自分で決めたのだから」と責任回避するのです。子どもはそうなることがわかっていますから混乱してしまい、結局、自分自身で決められず、最終的に決定権を親に委ね、「ここにしなさい」を待つようになります。

ですが、そんなふうに進路を決めた子どもはまた、苦難にぶつかったときに「自分が決めたんじゃない。親が決めたんだから」と自分で解決しようとせず、心の痛みを親に処理させようとします。

〇子どもの進路とどう向き合うか

子どものイメージしている進路を親身になって聞く

1回目

子どもが言ってきたときはもちろん、子どもがなんにも言ってこなさすぎるときにも「〇〇ちゃんは進路をどう考えてるの?」と質問し、優しく穏やかに温かい笑顔で話を聞きます。

わからないと答えたら、

1・「どうしたいなぁと思ってる?」と再度聞きます。わからないと言っていても、再度、質問の仕方を変えて聞くと子どもなりに考えていることを言葉にしてくれます。最初に「わからない」と答えるのは親の様子を伺っています。ストレートに言って親に否定されるのを不安に思っているからです。もしも、何も答えてくれなかった場合は、「〇〇ちゃんはどんなことが好きなの?」「どんなことは嫌いなの?」と言った答えやすい、“好み”から聞いていきます。

2・答えに対して「それはどうして?」「どんなとこが?」など掘り下げていきます。否定も肯定もしない、優しくフラットな姿勢で静かに聞きます。抑揚をつけると誘導になってしまいますから、自分の好みで反応しないことが大切です。

3・子どもが話したことをまとめたいなら、「こうこうこういうことね」と解釈してようやくせずに、子どもが口にしたままの言葉で繰り返すだけにとどめます。

難しい言葉や簡潔に要約しようとするとニュアンスがズレ、子どもはモヤモヤします。

4・意見やアドバイスなどがあっても一回目は我慢。「なるほど・・」「よく考えてるね」「話してくれてありがとう」で終わります。子どもがどんどん話して来れば話したいだけ話をさせてあげますが、子どもがあまり話したがらないのに根掘り葉掘りと聞くのはやめて、長くても40分以内までにとどめましょう。子どもが話したいときは、1時間から2時間ぐらい話をしてきます。もしも途中で用事ができたら残念ですが「ごめん、凄く聞きたいんだけど、今、〇〇に行かなくちゃいけなくなったから、帰ってきてから聞かせて。そうだなぁ、〇時までには声をかけるから、お願いね!」と次に話を聞く時間を明確に伝えましょう。

親は“用事が終わってすぐに聞いた”と思っていても、“子どもは待っていたのに全然、話を聞きに来なかった”と不満を持っていることがあります。

2回目

話をひとにすると、そのあとあれこれまた考えがまとまりだしたり、違う考えに気づいたりし、頭の中が整理され出します。するとまた違う考えが浮かびます。数日から1週間ぐらいしてからまたこどもに声をかけます。このときに1回目でママ自身が思ったことなどを素直に話します。

「どう?あのあと、なにか考えがまとまったり、変わったりした?」と切り出します。

子どもの話を聞ききった後、「うんそっか。」と少し、間をあけてからゆっくりと「ママね、あの後、考えてて、こう思ったんだけどどうかな?」と気になったこと、心配事などを聞きます。子どもの話を聞いて反論せずにとりあえず、聞きます。ママがいいなぁと思ったことにも強く表現はしません。なぜなら、誘導をしてしまいますし、子どもは考えを変えたときに引っ込みがつかなくなるからです。ママに心の揺れを話しにくくなります。

「いいね、ママもいいなと思うよ」程度にとどめておきます。

子どもとの考えの相違があったり、やはり納得がいかないと言う場合は、しばらく考えてから数日後に話します。親自身もよく考えるとまた気持ちが変わることがあるからということと、子どもに“自分の意見を押し付けてくる”という印象を与えないための配慮です。

“ママも真剣に自分のことを考えてくれている”ということを感じてもらうために日にちをあけます。また、子どもが話した直後に意見を言うと、中身はどうであれ、“親な気持ち”になって冷静に受け止めてもらえないからです。

3回目

数日後、「あのね、やっぱりママはこうだと思う。」とはっきり気持ちを伝えましょう。

詭弁を言わないことです。「あなたのために」「ママはいいんだけど」などの言葉は避けます。

「ママはこうこうこういう理由で、こうして欲しいと思う。」と自分の希望であることを素直に認めて伝えます。

もしも本当に自分はどちらでもよくて、「ママはいいんだけど」と伝えるのであれば、子どもの決断に3回以上は口を挟まないことです。自分がいいけどというならば、2回までで、そのあとの子どもの決断には干渉しません。しかし、子どもの決断にママの予感的中となったときには「だから言ったのに」「ほらね」と言ったことは絶対に言わずに、心の支援をしてあげましょう。

〇話を聞くときに大切なこと

1・指示・誘導はしない

2・進路に対し、想定できる限りの良いことも悪いこともイメージができるように質問をする。

3・数年先の未来の自分を想像させる。

4・・解釈によるまとめをしない

5・大きな否定も肯定もしない

6・自分で考え、自分で選択しようとする姿に感心をしてあげる

悩んでいるときや迷っているときは頭の中が散らかっていて探し物が見つからない状態

話をさせるということは頭の中の整理整頓を支援しているということです。

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