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第93回 自己表現できる子に育てる

人は自分をうまく表現できないと自信が持てなくなったり、ストレスが溜まります。

上手くできないからと“自己表現しない”でいると“いつも自分は我慢ばっかりしている”“自分は損だ”という思いを持ちやすくなります。逆に器用でないないまま、思ったことをズバズバ、ストレートに言ったり、怒りをあらわに荒々しい自己表現をしているとトラブルを生んだり、敬遠されたりします。どちらにしても自己表現が無器用だと、対人関係がスムーズに行かないことが多くなります。だからといってしつけで教え込めるものではなく、教科書で学ばせられるものでもなく、「上手に自分を表現するんだよ」と言っても、子どもはどうしていいかわからなくなります。大人になれば、子どもによっては自分を客観的に見て、自己表現を修正し、自分の理想を習得していくこともできますが、子どものときは、そこまでの力はないので、子どもは自然体の中で、親の自己表現から、真似て習得していきます。こどもの人生の生きやすさ、生きづらさは、親の自己表現の在り方で大きく分岐します。

〇親の自己表現のまんまが子どもの自己表現となる!?

親の自己表現をマネていきます。しかし、そのままを子どもが獲得できるかというとそうではなく、自分に与えられる親からの表現に影響も受けます。親が攻撃的で威圧的な振る舞いを子どもにしていると子どもは萎縮してしまいます。常にビクビクし、自分を持たず、人の顔色ばかりを窺うようになります。“自己表現”ではなく、人に期待される表現ばかりを選び、コロコロ意見を変え、まるでカメレオンのように優柔不断になってしまうかもしれません。しかし、親から“攻撃的な表現をすれば人をコントロールできる”ということも学んでいますから、自分より、弱いとみなした相手には、キツイ言い方をしてしまったり、威圧的な態度をとるようになってしまうことがあります。すると、“怖い子”“人によって態度を変える子”というレッテルを張られてしまうこともあります。親が自己表現しないとまた子どもは、親が何を考えているのかわからずに不安を抱え、顔色を窺って本音を探ろうとすることに神経を費やすようになることもあります。すると簡単に同意や妥協をしてしまいがちになります。親から自己表現の方法を学べず、人との距離感もつかめず、人への接し方が全く分からないままになってしまうから、人間関係が億劫に感じるようになり、返事をしない、無言のままという“自己表現をしない”スタンスをとるようになり、「あの子は何を考えているかわからない」とこどももまた人に敬遠されてしまうようになります。あるいは子どもが持って生まれて元気な子である場合は子どもは親から“NO”の表現をしてもらってこなかったために“親しき仲にも礼儀あり”といった適切な関係が学べずに、傍若無人な振る舞いをしてしまうようになり、意味もなく尊大で共感性や協調性に欠け、人の心に無神経に踏み込んでしまい、人間関係をうまく築くことができずに大人になるにつれ、どうして人が自分から離れて行ってしまうのかがわからずに苦しむようになってしまうかもしれません。

〇自分の表現方法が「自分の扱い方」を人に左右させている

自己表現しないと自分の本当の気持ちは伝わりません。すると、人に後回しにされたり、“なにも言わないからいいや”と適当な扱いをされることも残念ながら、少なくありません。反対に、積極的すぎる自己表現をすると、“ややこしくなるといけないから丁寧に扱っておこう”と思われ優先的に扱われることも多くなりますが腫れ物扱いです。人生を楽しく愉快に生きていくためには人間関係は切っても切り離すことができないものです。自分の表現次第で人との心の距離が変わります。自己表現をつけると言うことは人生を生きやすくするための“対人力”です。自分が表現することも大事、だけど、その表現によって相手に不必要なストレスをかけないことも大事であることを子どもに教えるためにはまず、親自身が“自分との付き合い方を人に伝えているのは自分自身”ということをしっかり意識して、“自分のことも相手のことも大事にする自己表現”をして“子どもが真似をできるように見せる”ことが大事です。

〇自分のことも相手のことも大切にする

自己表現で大事なのは、“自己主張”はするけれど、相手の“大切にされる権利”にも配慮することです。

1・相手の気持ち

2・相手の考え

3・相手の価値感

4・相手の立場

5・相手の権利

「あなたはそう思っているのね、私はこう思っているよ」

「私はこう思っているけど、あなたの気持ちはこうなのね」

というスタンスです。「自分もいいし、あなたもいい」という気持ちを常に心に持ち、

優しくマイルドに話し、受け答えします。

例 クッキー事件

子どもが「今日、お友達が家に遊びに来るから、みんなの分のおやつお願いね」と頼みました。忙しいけれど、こどもの喜ぶ顔見たさにせっせとクッキーを焼いて待っていました。ですが、一向に来ません。子どもに聞くと、「あっ、言うの忘れてた。遊ぶ約束なくなったの。」と言いました。

①「なんなの!?それ!?ひどいじゃない!ごめんなさいぐらい言ったらどうなの!?」

「忘れてたのは仕方がないけど、お母さんはあなたの喜ぶ顔が見たくてクッキーを一生懸命焼いたの。すごく残念だわ。」または、「ママ、がっかりしたから、〝言うの忘れててごめんね〟とか、〝せっかく作ってくれたのにがっかりさせてごめんね〟って言ってほしいな。」

①について

〝せっかくあなたのために頑張ったのに!〟という悲しみをストレートに怒りでぶつけ、責めてしまう気持ちもわかります。“忙しい”のに頑張ったんですもの。ですが、怒りをぶつけると子どもは早く怒りを納めてもらうことに気を取られるか、反対に反感を持ってしまい、素直になれません。自分を振り返って反省することやママの気持ちを共感する機会も失ってしまいます。

②について 

柔らかい言い方を使い、自分も心に思ったことを表現し、子どもの主張も受け止めているので、あとに残りにくく、ストレスがお互いにたまりにくいです。この、「お互いに」というのがポイント。こどもの言い分も理解する姿勢で素直にマイルドに率直に自分の気持ちを伝えると“申し訳なかったな”と子どもに素直に反省する気持ちを持たせられます。嫌だったことを伝えるときまづくなるから我慢するという人もいますが、長い目で見たときに自分にも子どもにも感情は伝えたほうが腹の探り合いのない、いい関係を保てます。相手を一方的に責めないように柔らかい表現で伝えられると、気まずい空気は流れるものの、すぐにもとの関係に戻りやすくなります。

③子どもの気持ちばかりを優先し、「自己表現しない」 という姿勢は、長い目で見たときにお互いにとっていい関係とは言えません。子どもにママの気持ちが伝わらないだけではなく、このようなことの積み重ねで、子どもはだんだんと人の気持ちを考えない、無神経な子になってしまいます。

例 クッキー事件その二

こどもが 「明日、友達が来るからクッキー焼いておいてね!」 と言いました。そのとき、自分は心の中で〝明日は忙しいし、それに面倒だな・・〟と思いました。

①反感を持たせる自己表現

 「 明日忙しいし、面倒だから、市販のもので上等!」 などと子どもに有無を言わさず自分の都合を言う。

②良好な関係を長続きさせる自己表現

「明日は忙しいんだぁ。それにちょっと大変だなぁと思うから、手作りではないけど、クッキー買ってきてもいいかな?」 または、 「手作りクッキーは手がかかるからホットケーキでもいいかな?」 などと、自分の気持ちを伝えつつ、こどもの気持ちと自分の気持ちの折り合いの付くところを探るべく、妥協案を提案してみる。

③こじらせる自己表現

「うん、わかった。」 または、 「・・・(無言)」 と簡単に同意や妥協をしてしまったり、返事をしないというような態度をとってしまう。

✖「自己主張しなきゃ、誰もあなたの気持ちなんてわかってくれないよ!?」 〇「自分の気持ちも人の気持ちも大事にして話そうね」

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