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第126回  失敗しないための励まし方

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“勇気づけたくて、つい、必死になって励ましの言葉がしつこくなってしまっている”ケースがあります。

●自分の不安を打ち消したい

建前としては“相手のため”かと思います。

ですが、実は自分自身が不安で、相手からの「大丈夫、大丈夫」という返事で自分の不安を打ち消してもらいたくて、「大丈夫?」と聞いてしまっているかもしれません。

「頑張って!」も言い過ぎは同じ。

相手にとっては、心配の言葉がけが多いと、その人の気持ちがどうであれ、『自分を信用していない』というメッセージを受け取ってしまいます。

あまりに心配されすぎたり、応援されすぎると、“あなたは絶対に大丈夫じゃない”の予言として伝わってしまって、不安は強くなり、その予言を的中させてしまうことになります。

●救済者という役割を演じたい

また、励ましの言葉をかけすぎるひとの中には“救済者”という役割に依存してしまっていることがあります。

“いつまでも自立をせずに頼りないままでいてほしい”

“自分を見捨てないでほしい”

“私がいないとあなたは無理”

という無意識の願望がもれ出てしまっていることも多くあります。

人が失敗したり、困っていると、ニコニコ顔で「ね?言ったとおりにしてよかったでしょう?」「大丈夫?困ったら、すぐに助けてあげるからね」「任せておきなさい!私にいえばなんでも間違いないんだから!」などと繰り返していてもそうなります。

とても頼もしく、温かい愛情表現なのですが、このような言葉がけを繰り返していると、“必要とされている私”に存在価値を感じていたいという、メッセージを相手は受け取ることになります。

すると、励まされ、応援されたときに、“赤ちゃんスイッチ”が入ります。

“何でもできるひと”“何でもしてくれる優しい人”ですが、無意識に“あの人がいないと何にもできない”という依存的な姿に喜びを感じてしまっていることが相手の無意識には、ちゃんと伝わってしまっているのです。

 いつまでも自立しないで、“頼りない子どもの状態”でいようとする、共依存関係に陥ってしまいます。このような人は外ではしっかりしていても、家に帰ると頼りない人間に戻ってしまいます。

期待に応えるべく、自分を大事にしてくれる人のために、“何にもできない自分”でいてあげようとするのです。

そして、本来、自分でできることまでしなくなり、“未熟”を演じます。“頼らなくてはならない”という義務感に縛られるようになります。

解決してくれるたびに、成功体験を得るチャンスを失い、「自分にはできない」という思い込みは強くなっていきます。

また、自分の言動に根拠のない不安を感じ、脅えるようになり、依存心は増すばかりで自信が育ちません。

〇気持ちに寄り添いすぎても、突き放しても、問題が起こる

励ましや応援が行き過ぎ、相手の感情の処理まで引き受けて、「私が悪かったわ。あなたは何も悪くない」「あなたに怒るなんて!一体、誰に泣かされたの!?」「あの人のせいよ、あなたはなにも気にする必要ないわ」と、なんでもかんでも、“あなたは悪くない、全部、ひとのせい”の姿勢で、かばっていると、都合の悪いことをなんでも責任転嫁をする人間になってしまいます。そして、自分の思い通りにならないと、怒りを爆発させ、物を壊して暴れたり、暴力を振るったりしてなにがなんでも望みを叶えさせようとする人間になってしまうかもしれません。

逆に、早く自立をさせようと、「自分のことでしょ?」「何、甘えているのよ」と冷たく聞こえる言葉や冷ややかな視線を送ってしまうと、“感情抑制がきかない”“自己肯定感が持てない”“共感性や愛情がない”“命の重みや大切さを感じることができない”そんな、問題のある人格にしてしまう危険性があります。

〇本人が何かをしているときの関わり

その人がなにかしようと行動を始めるとき、その人のためを思うなら、事故や怪我につながることでないときには、ある程度のリスクを覚悟で、『この人はできる人間』と信頼して、温かい目で見守ります。

なんにも言ってこなければ、なんにも言わず、いつもどおり自然に振る舞うだけです。

ですから、“いつも”優しく穏やかでいることは大切ですね。

頑張らせたいときだけ、優しくしても、人は安心感を持てないものです。

“いざ、”というときどうするかではなくて、“いつもの”標準装備が大事なのです。

もしも、「大丈夫かなぁ・・」と不安を口にしたら、「ぜーんぜん、だぁい丈夫大丈夫よ~」と元気に答えてあげ、あとはニッコリ笑顔です。

そして、うまくいったら、絶賛して褒めます。

「さぁすがぁ!」「すごいなぁ!」「うわぁ!よかったよかった!!」こんなシンプルな言葉だけで大絶賛で喜んであげて下さい。

「うまくいくと信じてた」「あなたなら大丈夫だと思ってたよ!」これらの言葉は、マイナスになることもあります。

なぜなら、“いい子でないと愛されない”という思い込みが入っているときには、先入観を持たれていることを意識させると、次の時に負担になることがあるからです。

“きっとうまくいくと信じて疑ってないんだろうな。もし失敗したらどうしよう”と必要以上に緊張してしまい、失敗するかもしれませんし、逃げ出し放棄してしまうかもしれません。

ですから、そのとき限りの、“一緒に喜ぶ”だけにしておくことがベストです。

「うまくいったらとっても嬉しい、うまくいかなくても、問題ない。あなたそのものに価値がある」です。

〇うまくいかなかったとき

失敗していても、笑わずに、そのままの微笑みでいつもどおり。何事もなかったように、サラッと流します。

困ったり、失敗をしたりしたときに、いつも、楽しそうに笑ったり、ニコニコと喜んで励ましたりしていると、無意識の中で“失敗を期待されている”と勘違いするようになります。

すると、ひとの気を引くために無意識に、自分が窮地に陥ってしまうような行動をとるようになります。

もしも、どうしても、取り返しのつかない大変なことが起こることが想定できるときには、挑戦させる前に具体的な正しい方法を示すか、一緒にやります。そして、上手くできたら、これでもかというくらいに褒めます。

サポートは、温かい目で見守り、優しい声で受け答えをすることを中心とします。

“あと一歩”の勇気や、踏ん張る力がでないときは、ここぞというタイミングで、「大丈夫!」と目力プラスで力強く言うか、「大丈夫だよ、大丈夫」と落ち着いた声で優しくそっとささやき励まし、背中を押します。

ここぞ、というタイミングとは、落ち込んでいても、ため息をついていても、少し様子を見る、ということです。

できれば、数日みれるといいですね。

それで復活しなければ、「どうした?」と声をかけて話を聞いて、キュッと締めた励ましです。

人間に必要な愛情は、心と身体を充分に休ませることができる、“心の安全基地”をもつことです。

あなたが心の安全基地になれば、人は何かに挑戦する勇気も湧いてきますし、

疲れて帰っても、また元気に頑張ることができるのです。

◎上手に励ますコツ

〇マイナスを連想させる言葉で励まさない・大げさに心配しない

〇“自分のこと”を取り上げず、自分でさせる 〇いっぺんに“自立”に向き合わせずに、少しずつ、自立させていく

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