第129回 楽しく育てることで子どもの能力は伸びる
新宿 カウンセリング 子育て相談 子育ての悩み
子どもと楽しく遊んでいますか?
子どものありあまるエネルギーに、クタクタになってしまうことがあるかもしれませんが、子どもと遊ぶことはお得が満載です!
①ダイエットになります!
②若さが保てます!
③子どもとの絆が深まります!
④子どもが言うことを聞くようになります!
⑤子どもの能力をぐんぐん引き出せます!
そう、遊ぶことで子どもはいろいろな能力を身につけていきます。
〇一緒に遊んで育てる好奇心
本を読ませると読解力がつくので、本もたくさん読んでほしいですが、遊びの力もすごいんです。
親にも子どもにもお得な遊びは子どもの好奇心や情報編集力を育てます。
生き物は、好奇心がもととなり、脳を育てます。子どもの頃にたくさん遊ぶことによって、脳が刺激され、脳の中に電気信号がたくさん流れ、情報と情報がつながることで賢くなります。
人はおとなになるにつれ、現実的になり、落ち着きが出てきますが、子どもの時にあふれる好奇心から、“あれもしたい、これもしたい”と考え、“こうしてみたらどうか、あーしてみてはどうか”と試行錯誤し、実践するなどしてきた経験が、大人になったときの生きる知恵や仕事力の原動力になっていて、新しいことに挑戦する意欲や、やる気を起こさせ、活動的な人生に導きます。大人になって、より人生を楽しむ力、パワフルに生きる力の源が好奇心なのです。子どもが興味を示したものを一緒に楽しんだり、いろいろな体験をさせてあげたり、ときにいつもと変わらない何かに一緒に興味をもつなどしながら、是非子どもの好奇心を育ててあげてください。
子どもと一緒に何かをするときには、大きなリアクション、「うわぁ!」「へー!?」「きゃあ!」「ひえ~!」「ガーン」などのリズムや音、感嘆詞をたっぷり使うことで、子どもは同じ内容をより楽しく感じ、学びへの集中力が増します。
〇遊びで情報編集力を鍛える
遊びは情報編集力を育てます。情報編集力とは、答えがひとつではない問題や答えを知らない問題に直面したとき、諦めるのではなく、自分の経験や知識や技術と、他人の経験や知識と技術を含めた自分が利用できるものを上手に組み合わせて、自分も他人も納得できる答えを素早く出せる力のことです。たくましく人生を生き抜くにも、人生を謳歌するにも、大成するにも、この情報編集力は人生における最大の武器となります。
情報力編集力は、・コミュニケーション(会話力・意思疎通)・シミュレーション(先を予測する力・想像力)・ロールプレイ(疑似体験)・ロジカルシンキング(論理的思考)・プレゼンテーション(他者の理解を得る)の5つで構成されていますので、これらを鍛える必要があります。
絵本、クイズやなぞなぞ、探偵ゴッコやトランプ、ボードゲームなどから、先を予想したり、新しい発想が次々とできる力がつきます。それによって、シミュレーション(先を読む力)やロジカルシンキング(論理的思考)が養われます。
人や立場においてのそれぞれの気持ちを疑似体験することができる、ままごとや人形遊びなどのごっこ遊びからは、実際の場面を想定し、いろんな役割を演じることによって、ロールプレイング(いろいろな役割の疑似体験)やコミュニケーション(気持ちを伝えるなど)・プレゼンテーション(あれするよ!こうしたらどう?)などを体験できます。
〇遊んだあとのお片付けでコミュニケーション
スマホなどのインターネット機器だけで楽しませておけば、お部屋は散らからなくて済みますが、散らかし放題で、夢中になって遊ぶことにより得られることがたくさんあります。おもちゃはもちろん、宅配の廃材、読み終わった雑誌などの、捨てるつもりの不用品をいっぱい出して、素材も用途もぜんぜん違う、普段なら合わせることなどない物同士を“あーでもない、こうでもない”と頭をフル回転させ、試行錯誤して組み合わせて、一つのものに作り上げることは創作力や発想力、論理的思考、集中力と、多くの力を磨きます。
ですから、ガムテープやセロハンテープ、ノリ、ホッチキス、輪ゴムなどもいろいろほしいですね!
たくさん散らかしても、自分で片付けてくれるなら問題はないと大人は言いますが、子どもも自分がしたことだとはいえ、ぜーんぶ自分でしなくてはならないとなると遊ぶ意欲を失ってしまいます。
遊ぶ前から「ちゃんと後片付けは自分でしなさいね?!」と釘を刺されたら、怒られることを想像してしまい、もう、道具で遊ばなくなってしまいます。かといって、刺激を電子機器ばかりに頼らせるのはとてももったいない!
お片付けの労力なんて、得られるお宝と比べたら、取るに足らないもの。
“自分のことは自分で”はもちろんですが、お片付けを「楽しかったね!」なんて言いながら、一緒にしてあげることはママの“優しさ”の範疇ですから、是非、お手伝いをしてあげて下さい。ママのお手伝いもしてもらって“お互いさま”の柔軟な気持ちを持てたら最高です。
そう、お手伝いにも遊びと同じ効果があります。
ですが、イヤイヤな気持ちで子どもがお手伝いをただの“命令”としてするのでは、子ども時代の嫌な思い出として、心の中に残ってしまいます。お手伝いで何かを学ぶこともできますが、何かの作業に対するイメージを楽しいものにすることは、とても大切です。一緒に楽しくできるように、“お手伝いを遊びにする工夫”を考えることによって、子どもの創造性はさらにかきたてられます。
能力の向上を問わないとしても、ママが一緒に“楽しい”を共有してくれれば、『人生って楽しいんだよ、素晴らしいんだよ』と、いうメッセージとなって、子どもの無意識の中に、どんどん流れます。
子どもはママからの愛情あふれるメッセージをしっかり受け取り、人生に良いイメージを描き、そのイメージに沿った生き方を無意識に選択して生きるようになります。
〇遊びの工夫
①競争ゴッコ 時間を図る、スピードを競う
②宝くじゴッコ 少し掃除するたびに、おもしろくじ(引いた人が書いてあることをする)が引ける
③成り切り衣装 掃除用洗剤で荒れないようにビニールで宇宙飛行士みたいにするなどして、衣装に凝る ただのエプロンでもオッケー ねじり鉢巻きをさせるなど
④泡泡風呂掃除 洗剤を使わず、お風呂をバブルバス用の泡まみれにして遊ばせながら掃除をさせる
⑤詰め放題 小さいビニールを持たせ、草やゴミで早くビニールをパンパンにしたほうが勝ち または重さを競う
〇子どもが遊び上手じゃないときは
遊び道具を子どもに提供しても、思ったように遊んでくれないかもしれません。いきなり道具という名の不用品だけ渡されても、子どもにとって、今まで不用品と思っていたものは、やっぱり不用品に見えます。
そこで、まずはママが遊びのアイデア提供者として、『不用品+アイデア=新しい価値』を一緒に実践してあげましょう。難しいことは必要ありません。雑誌は紙なので、折っても丸めても張り合わせてもいいです。生活の中で、くじ引きや宝探しを入れてみるのも楽しいです。段ボールは積み木みたいに遊べます。少し慣れてきたらラップの芯など不用品、クレヨン、テープなどの文房具用品、どこにでも落ちている石ころや木などで、を条件に“ロボット”“基地”などワクワクするようなテーマを出してみるとか、あるいは、散らかしOKで自由にさせて、見守り役として、遊んでいる様子を優しくみつめ、目が合えば微笑みを返しているだけでも充分です。“ママが見ていてくれている”というだけで嬉しくて、“なんでもできるような力”が湧いてきて、遊びの中ではスーパーマンになったような気持ちになれます。
これこそが、自己効力感の源です。
自己効力感とは、“目標達成に対して、自分にはできると思える、心の奥のほうから湧きあがってくる感覚のこと”です。
ですが、ママが余りにもこどもの世界に出しゃばってしまって、場を仕切りすぎ、ガキ大将のように遊びの主導権を握ってしまうと、こどもは、“子分”や“お手伝いさん”のようなポジションになり、こどもの元気まで吸収してしまいます。
反対に、自由には遊ばせているものの、ママの表情はいつも乏しくて、こどもに対して無関心なように惰性的で無気力な様子をみせていると、こどももまた、覇気のない子になってしまうことがあります。
一緒に喜び、笑い、一緒に無邪気に楽しむがキーワードです。
◎子どもを楽しく伸ばすコツ
〇競争、くじ引き、トラップ、ドッキリ、クイズを生活のあらゆるシーンに取り入れる
〇「うわぁ!」「へー!?」「きゃあ!」「ひえ~!」「ガーン」などのリズムや音、感嘆詞をたっぷり使う
〇お片付けの厳しさなどで、遊ぶ意欲への障害を作らない
〇時には吉本新喜劇を見て、楽しくユーモアのあるリアクションを親子で学ぶ
〇遊んでいたら壊れるのは当たり前。いくら、高価であったり、買ったばかりであったとしても、通常使用であれば、叱らない。少々、羽目を外しすぎてしまっても大目に見る