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第132回  義務を自分で果たすことをさせてもらってきていない子どもは将来、苦労をします

新宿 カウンセリング 子育て 相談

子どもの権利や自由がとても尊重され、多様性がうたわれるようになり、

いろんな子がいて、その子その子の“個性に合った”子育てを大切にしてもらえるようになりました。

すごくいいことだと私は思います。

ただ、“個性に合った”を

“子どもの好き勝手させること”だと勘違いしてしまっていることも多くあります。

幼い頃は、なんでもやりたがったり、なんでもイヤと言ったり、

自分の気持ちを押し通そうとしたり、

わがままで自分のやりたい放題になるのは普通で、

興味を持つことや自己主張は成長の証でもあります。

しかし、子どもはその年齢に合った成長をしていくことは必要で、

親がしつけなどによる精神的な育成や

必要な価値観を持たせることをさせることなく

“子どもの言いなり”になってしまっていることがあります。

何でもやりたいことをやらせてあげるのも、

強迫的に無理強いをしないことも、

大事なことですが、それは今のその子にとって

“許可していいのか、許可してはいけないことなのか”

を状況や事情を踏まえて、親が判断しなければなりません。

子どもは、まだ人生経験が浅く、精神的にも未熟で情報も不足しています。

子どもの個性に合わせる子育てとは、

子どもに好き勝手にさせる子育てということではありません。

子どもは“自分の今の世界”を生きるのに精いっぱいで、

大人のように、過去から学び、未来を現実的にイメージする力は、

“まだまだこれから”です。

〇義務を果たさせる

こどもが、自分に与えられた自由や権利を、

自分と、自分以外の人のために、適切に使えるようになるには、

大人が、こどもの規律の力を育て、

“義務を果たす”ということを学ばせて、

精神年齢の成長を促していってあげる必要があります。

義務とは、「~しなくてはいけない」です。

例えば、社会人になり、仕事をするようになると、

やらないといけないことなら嫌なことでもしなくちゃいけないときもありますし、

納得がいかないことでも、我慢をしなければいけないときもあります。

この力が、“人に合わせる”とか、

“嫌なことでも我慢する”などの従順さや、

“したくないことでもするべきことはする”、

“大変なことでもやり切る”などの責任感であり、

これらの力を育てる子育ての基礎となるのが、義務を果たさせることです。

そして、このような力を育てていかなければ、親が困るのではなく、

近い将来、子ども自身がとても苦痛を味わうことになり、子どもが困るのです。

最初に子どもに教える“義務”とは、“自分のことは自分でする”です。

小さいころから、“自分のことは自分でするよ”と教えていきます。

もちろん、“できること”をです。“できないけど、練習すればできるようになること”なら、

教えて、待って、繰り返し時間をかけて、“できること”増やしていきながら、自分のことは自分でさせていきます。

例えば小学校で体験する“学び”や“集団行動”は、

小学生の子どもにとって、大人の仕事同様、特別な事情がない限り、“しなくてはいけないこと”です。

能力や特性などに配慮することも必要ですが、

「意味を感じない」「おもしろくない」「面倒」「個人の自由」

という子どもの主張を優先して、

“勉強をさせない”体験や経験など、

“社会生活に必要な一般常識や技術を習得させない”

“集団行動をさせない”“規則を守らせない”

でいると、子どもはわがままで独りよがりな人間になってしまいます。

自分勝手を自己主張だと勘違いして成長してきた子どもは、

本能的思考のままに「嫌なことは嫌」といってやらず、

「飽きたらやめる」という価値観を持っています。

子どもの頃に根付いた価値観は社会に出てもそうそう変わらないので、

このような理由で、やるべきことをやれない、

やめてしまうということになってしまいます。

すべきことをやらないと、自己肯定感が育たず、

孤立感を感じ、承認欲求が強くなりすぎてしまいます。

すると、あえて人と違うことを言ったり、SNSに過剰に投稿をするなどして、

人から注目されようとする傾向があります。

承認欲求を満たすことが目的ための発言や行動に、

中身や信念はありませんから、人から信用されない人間にもなってしまいます。

そしてまた自尊心が削がれていきます。

〇繰り返す義務違反には、“お約束”を作る

ですが、義務を果たさないからと言って、

いきなり権利を取り上げてしまうのはよくありません。

子どもはまだ義務と権利がごちゃまぜで、

義務を放棄するのも権利だ、自己主張だ!と思っているかもしれません。

義務にたいする価値観は、徐々に伝えてきましょう。

義務を果たさない時の対応は次の流れです。

①厳しすぎない程度のお約束を宣言しておく(いきなり実施しない)

②長すぎない期間限定でのペナルティ

③果たさなかった義務に相応する内容を心がける。

(例1) 

お約束➡「宿題は、かならず、翌朝の7時までに済ませるよ。」

宣言➡「次、宿題を朝の7時までにすましていかなかったら、その日は、ゲームはなしだよ。」

(例2)

お約束➡「スマホは平日18時から19時までの貸し出し制にするよ。」

宣言➡「次にスマホを19時までにママに返さなかったら、3日間、スマホは貸さないよ。」

電子機器などの依存性の高いもののお約束は少しだけ、

重いペナルティにするとよいかもしれません。

〇権利を認めるとは

自由や権利は

「してもいいし、しなくてもいい、選んでもいいし、考えてもいい」

ということですが、自分の事情や感情だけを最優先して、

「好きなようにしていい」というわけではありません。

“義務を果たす”ことで、人から信頼を得て、

人からも、自分の持つ、“自由と権利”を認めてもらうことができ、

その自信から、堂々と、自分の人生において、

幸せになる権利を有意義に活かせる人間になれるのです。

義務を果たさせる大切さを述べてきましたが、

権利も、しっかり認めていかなくてはいけません。

義務を果たすことだけを身につけた子どもが、

権利を使うことを知らずに育つと、“すべき思考”に囚われて、

自分の人生を楽しむことができないガチゴチ肩こり人間になってしまったり、

人に言われたことをそのまま、全うする、忠誠心の塊で、

忠実に責務をこなす“いいなり”ロボットになってしまう恐れがあるからです。

大前提として、義務が及ばないことについては、権利が発生します。

ですから、“義務を果たす”のであれば、その過程は選べるわけです。

また多くの場合、結果を出すことは義務ではありません。

職につき、職務を全うする中で、権限を与えられ、

結果に対して“責任”が生じてきますが、

義務教育であるうちは、結果に対しての責任まで求めてしまうと、

未成熟な子どもの心が耐えきれなくなってしまいます。

非常識は論外ですが、責任を持ってやるべきことをやりきれば、

結果がどんな形であっても、OKとします。

ママの価値観には合わないとか、

結果に満足がいかないなどの理由で、

細かいことを言わない、干渉しないことが重要です。

〇好ましくないお約束

例1・「やるからには〇番までに入りなさい」(競争は頑張っても、結果が約束できるものではありません)

例2・ 「やるからには〇級になるまで辞めてはいけない」(個々の能力には差があり、ゴールがはるか遠く、あるいはみえなくなることがあります)

例3・「ほら、まだここに埃が残っているわよ」「そうやってやるんじゃなくてこうやってやりなさい」(自分には自分流があるように、人にはその人流のやり方や、“ちゃんとやった”具合があります。)

また、一見、権利を認めているようで、認めていないというケースもあります。

言葉では「それでいいよ」「どっちでもいいよ」と言いながら、意にそぐわない行動をこどもがすると、嫌な表情をみせる、冷たい態度をとる、などです。

“子どもの権利の尊重”と言い、「どちらでも」と子どもの権利を重視しているような言動をとりながらも、実際は暗黙の圧力で子どもが自分の期待通りの選択と行動をするように心理操作をしていると、こどもの心は混乱してしまいます。

こどもの権利を大切にしたいと考えるなら、二択です。

①「いいよ」といったのなら、嫌な感情を表情に出さない、態度で表現しない。そのときも、その後にも、干渉しない。

②「ママは、こういう理由で、こうして欲しいと思ってる。」と素直で率直な言葉で気持ちを伝える。そのあとは、こどもの選択にも結果にも、一切、干渉したり、嫌な表現をしたりしない。

〇権利は与えるが、責任は一緒に背負ってあげる

与えられた権利や、課せられた義務によって行動すると、

その行動にたいする結果がついてきます。

残念な結果となった場合に、

「あなたが選んだのだから、ママは知らない。自分で何とかしなさい」

と言われ、結果の責任と“悪い結果”による精神的なダメージを一人で背負わされるのは、

こどもにはまだ、酷です。

次から、“選択、行動”の権利を手に入れても、

結果に対する責任を感じ、尻込みしてしまいます。

こどもが出した結果に生じた責任は、

“あなたが決めたのだから”

と突き放さず、かといって、全部責任を負ってあげるのではなく、

“あなたの責任はあなたの持ち物”という姿勢は保ったうえで、

自然に手助けをし、心にダメージがあったときには、

「残念だったね」「悲しいね」

と素直にその気持ちを共感してあげます。

そうして、結果の責任も心のダメージも一緒に分かち合ってあげる愛情が大事です。

そうすることで、結果に脅えず、自由に自分の権利として、選択したり、決断したりできるようになり、

向上心やチャレンジ精神を発揮していけます。

もしも、結果を責められたり、一人で責任を負うダメージが大きすぎると、

次から自分で考えて自分で行動することに不安が付きまとうようになり、

他律的になってしまいます。

〇『義務を果たさせる』コツ

〇“義務”の内容を親の感情次第にしない

〇「“義務”を果たさなかったときのペナルティ」として、簡単に権利を取り上げない。

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